featured image

【ナレッジワークCEO麻野さんに学ぶ】効果的な人材の惹きつけ方

ここ最近、採用について考えることが多くなりました。とあるPodcastの内容が、そんな今の自分にとって必要な情報ばかりだと感じたので、記事として残します。

Yusuke Sugino
Yusuke Sugino

published on 2024-08-06

自分は一年ほど前から、電車に乗っている時や歩いている時間にPodcastを聴くことが習慣となっています。最近たまたま聞いたpodcastの内容が、採用について考えている今の自分に刺さる内容だと感じたので、自分なりに整理したいと思い文字内容をまとめることにしました。

前提: なぜ採用は重要性なのか

近年人材獲得の競争が激化し採用の重要性が叫ばれるようになりました。その背景には、産業構造の移り変わりによって、従来に比べ個人が発揮するパフォーマンスのボラティリティが増大したことに起因する、ということが冒頭で説明されていました。以下に、簡単にまとめます

そもそも会社が向き合うことになる市場は次の3つがあります。

  • 顧客市場: 目的は販売。顧客に選ばれる
  • 資本市場: 目的は資金の調達。金融機関に選ばれる
  • 労働者市場: 目的は採用。労働者から選ばれる

もの作り産業が中心の社会で、重要だった資本市場

従来の社会の中心にあった産業は、モノ作り産業です。良い商品を作るためには良い工場が必要で、良い工場を持つためには、まとまった資本が必要。すなわち資本市場から選ばれる必要がありました。
そして人員は基本的に機械を正しく操作できれば良く、そして機械のパフォーマンスは基本的に変わらないため、一人当たりのパフォーマンスは均一的でした。

サービス(ソフトウェア)産業中心の社会となり、労働者市場の重要性が増加

時代は移り変わり現在は、ソフトウェアが社会の中心となりました。良いソフトウェアを作るには良い開発者や企画者が必要で、そういった人に高給を出すためにまとまった資本が必要となりました。
そしてソフトウェア開発では、生産性が10倍、100倍と変わってきます。ものづくり産業と比べて一人当たりのパフォーマンスのボラティリティは大きく増加しました。

結果として採用の重要性が増す結果ということらしいです。

人材の効果的な惹きつけ方

昨今のビジネスにおける、採用活動の重要性について再確認できたところで本題です。実際に自社の魅力をどのように効果的に伝え、人材を惹きつければ良いのか、についてをまとめていきます。

ナレッジワークCEOの浅野さんが、Podcast番組の中で説明をしていた内容となります(末尾にリンクあり)。全体を通して、20年前に出版されたマッキンゼーから出版された本の内容に準拠して説明されていました。

ということで説明していきます。

1/会社の魅力を4種に整理、いずれかに特化させる

求職者にとって、その会社で働く魅力は次の4Pとして整理できます。

P意味説明
Philosophy理念・方針企業の基本的な考え方や目標、世界観ディズニー
Profession活動・成長仕事の内容や社員の成長機会マッキンゼー
People風土・人材会社の雰囲気や一緒に働く人々の質サイバーエージェント
Privilege待遇・報酬給与や福利厚生、将来的なメリットキーエンス

まずはじめのステップとして、応募者にとって自社の魅力を4Pに整理した上で、「どれに特化し人材を惹きつけるか」をまず決めます。

2/ プレゼンテーション

そして実際に魅力を伝えるフェーズ、すなわちプレゼンテーションでは次の3つの要素を意識すると良いそうです。

slide-page-1
出典: スタートアップの採用を成功へ導く「惹きつけ」の奥義──ナレッジワークCEO・麻野耕司の実践ノウハウ

それぞれについて深掘りします。

ストーリー

「自社が果たすべき役割」について、過去・現在・未来のパラダイムを汲んで語ることです。Teslaを例に挙げるとこんな感じです

  • 過去:自動車産業は環境に悪影響を与え続けてきた
  • 現在:持続可能なエネルギーへの移行が急務となっている
  • 未来:Teslaが電気自動車とクリーンエネルギーソリューションで世界を変革する

ポジショニング

「自分たちの会社とどの会社を並べるか」です。自社の立ち位置を明確にします。Teslaを例に挙げるとこんな感じです

「AppleがPCの概念を変えたように、Teslaは自動車の概念を変えていきます」

メッセージ

「仕事や組織にどのような意味付けするか」です。行動ベースよりも目的ベース。目的ベースよりも意義ベースで語れることが重要です。Teslaを例に挙げるとこんな感じです

  • 行動レベル:高性能な電気自動車の製造
  • 目的レベル:持続可能な交通手段の提供
  • 意義レベル:気候変動対策と地球環境の保護

またこれらを一朝一夕で完成させるのは難しいので、日々試行錯誤してブラッシュアップしていくことが大切であることも添えられていました。

所感

Pdcastを聴いていて驚いたのは、麻野さんの澱みない語り口です。このページでまとめたような複雑な情報を口頭で伝える、というのは簡単なことではないと思っています。
記事にするにあたって何度か聞き直してみたところ、例えば強調すべきところはトーンを調整したり、時系列を汲んだり、具体例を交えたりと、効果的に伝える工夫が随所に散りばめられていたことに気づきました。それはきっと日頃から候補者に自社の魅力を伝えるための反復や訓練の賜物なのだろうと思い、感銘を受けた次第です。

また、最近はIT・スタートアップの界隈を中心にPodcastを配信するプレイヤーが増えたように思います。内容も濃く学びになるものが多い上に、ながら聞きしやすく気に入っている媒体です。これからも重宝しようと思います。

参考リンク